icon_4b_128「キャリア・アンカー」という言葉を耳にしたことはありますか?多くの人にとっては耳慣れない言葉かもしれませんが、人材業界や、人事の仕事をしている人の間では有名な言葉です。

この言葉の生みの親は、アメリカの有名な組織心理学者エドガー・H・シャイン博士という人です。アンカーとは船の錨の事、つまり人生という大海原を超えていくための舵取りをする重要な役割を担っています。要するに、人が仕事を選ぶための判断基準、基本指針となるのがキャリア・アンカーです。

自己分析をする上で、自分がどのタイプに当てはまるかということを考えるだけでも、ぐっと楽になるはずです。自分のできること、やりたいこと、望むこと、大切にしている価値観などを整理して当てはめてみましょう。

8つのキャリア・アンカー

専門・職能別

特定の仕事において高い才能と意欲を持ち、専門家としてスキルを発揮します。そしてそこに満足と喜びを覚えるタイプです。そのため、他の仕事になるとそのスキルを活かせないので、仕事に対しての満足度が低くなります。また、管理職になることは必ずしも重要ではなく、あまり魅力を感じないという人も多いのが特徴です。エンジニアなどの専門性の高い職種の人に多いタイプです。

全般管理

管理職、経営者になることに価値を感じる、出世志向のタイプです。業務における専門能力の必要性はあったとしても、自身はその専門性に偏らず、経営に求められる全般的な能力を身に付けることを重要と捉えます。

保障・安定

とにかく安定を求める、石橋を叩きながら渡るタイプです。人間は基本的に安定した職や報酬を求めますが、このタイプの人たちは特にそれを重視します。安全・確実で、将来まで安定している状態が予測できる環境であれば、安心して働けます。

起業家的創造性

起業家、発明家、芸術家などに多いタイプです。このタイプの人たちは、何か新しい事業や作品を生み出す創造性の発揮を重視しています。新しい製品やサービスを開発したり、組織を立ち上げたりといったことに情熱を燃やします。将来的に独立、起業の道を選ぶ人も多いです。

自律と孤独

自分のペース、自分のやり方で仕事を進めることを好むタイプです。組織のルールや規則、集団行動自体が得意ではないタイプなので、企業組織に属したがらない人が多く、独立する人が多いようです。このタイプの人たちにとっては、自分の行動の自由度が高いことが重要です。

社会への貢献

自分の仕事を通じつ世の中を良くしたいという価値観を重視するタイプです。医療関連従事者や、社会福祉、教育などの仕事を選ぶ人に多いタイプです。

純粋な挑戦

「冒険家」のようなタイプです。一見不可能に思えることを乗り越えることを追求したがります。挑戦自体が人生のテーマなので、仕事における専門性などにはあまりこだわらないのも特徴です。

生活様式(ワーク・ライフ・バランス)

仕事とプライベートのバランスが取れることを重視するタイプです。家庭を持てば、仕事もしっかりと打ち込みながらも、家庭を大切にしたいという考えを強く持つ傾向があります。仕事を選ぶ上で、育休制度や在宅勤務といった制度に食いつきやすいタイプです。

自分のキャリア・アンカーはどう判断する?

ざっと8つのタイプを見てみて、自分自身はどのタイプに当てはまるか判断はできましたか?おそらく、社会人経験の長い人ほどスムーズに自分のキャリア・アンカーを判断できたはずです。自分の価値観や、判断基準は、何かの判断を迫られたときに一番明確にわかるものです。若ければ若いほど大きな判断をする機会はまだ少ないため、キャリア・アンカーをスムーズに判断できなくても問題はありません。しかし、転職活動をするということは人生において大きな判断をする機会です。この機会に自分のキャリア・アンカーはどのタイプに当てはまるのかをじっくり考えてみるべきでしょう。

女性はライフイベントを迎えることでキャリア・アンカーが浮き彫りになってくる

女性はキャリアにおいて何らかの大きな判断をする機会が多くあります。それはライフイベントです。

結婚や出産を間近に控えたとき、仕事をそのまま続けるのか、休職するのか、退職するのか、転職するのかといった選択が必要になるケースが多くあります。また、既婚者は子育てや夫の転勤といった要因で、自分のキャリアを今後どうしていくのかということを、外的要因から考えなければならないこともあります。

ここで自分の大切にしていることを見失って判断をしてしまうと、後々大きな後悔が残ってしまいます。そのようなことがないように、自分自身のキャリア・アンカーを冷静に見極めておきましょう。